荷内思考開発所

ありがちなことばでありがちなことものを考えてみる

モラトリアムが持続しなかった時代について

興味深い本を読んだ。新型うつというのは、モラトリアムによる回避、依存等のパーソナリティの偏りによって発生したうつ状態なのではないか、と指摘する本だ。こちらの本である。www.kinokuniya.co.jp

この状態は近年の若年層に多く、以前はこのようなうつ状態になる人はあまり多くなかったと言われている。もしそうだとしたら、その原因は何なのか。自分はどちらかといえばそちらの変化の方に興味を持った。

 

結論と言えるのどの結論には至っていないが、いくつかの仮説は思いついたのでここに記しておこうと思う。

1)会社の正社員の構成世代が飛んでいるため、ジェネレーションギャップが大きく出すぎてしまった 
就職氷河期世代が就職しなかったので、彼らの存在が会社内において顕在化せず、会社内での構成比の多い世代が10年ぐらい飛んでしまって互いに価値観のすり合わせができなくなってしまっている可能性がある。そのため、急な変化に若手側が合わせざるを得ない形になった結果、若手の気苦労が増えてしまっている可能性がある

 

2)世代ごとの権威への従順さの違い

自分から見たところの上の世代というか、ヤンキー漫画が流行っていた世代、またそれより上の学生運動の世代、それらの世代が学生だった時代には「社会権威は反抗してもいいもの」というコンセンサスがあるように伺える。

もちろん学生運動などは純粋な犯行ではなく、ある程度たきつけられたものではあるが、構造自体をたどれば純粋な犯行ではないにせよ、等の学生側の意志としては、「権威の体制に反抗してやった」という自覚があったことには違いはないだろう。

いっぽう、今のミレニアル世代、Z世代はどうか。少なくとも表向きは権威へ反抗するという意志表示はほとんど見られなくなった。そのあたりの感覚の違いが、「本心では納得はいかないものの表向きは波風立たないように合わせておく」という彼らの行動に反映されているのではないか、という仮説も立てられる。あくまで推論レベルの話にすぎない

 

3)景気の違い

これについてはよくわからない

 

あくまでも仮設レベルの話ではあるが、思いついたところを列挙してみた。結論はまだない。