創作論とは、妙に、あまたの人々の関心を引くらしい、不思議なコンテンツだ。
個々の小説といったコンテンツ自体よりも、むしろ『どのように作家は物語をつむぐか』という方法論のほうが人気なんじゃないかと思えるほどである。
それは、多分、作中に『神が宿る』のが人々にとって、不可思議に映るからなんじゃないかなと思う。
いないはずの世界をリアルに体感し、作中の架空の登場人物の息遣いを感じられるなら、さて、多くの人々にとって、当然のごとく感じられる、世界への認知とは、なんだったのであろうか。
多分、根本にあるのは(無自覚とはいえ)そのような問いなのではないかと思う。
どうして、創作者は、架空の世界を作る『神』となりえるのか、それがきっと不思議でたまらないに違いない。
そう思ったら、僕はそういった議論に対して、以前よりも、少しおおく距離を置けるようになれた気がする。