先ほどの記事は背景説明でした。こちらでは本題に入ります。
端的にいえば、若者が就活で(以前に比べて)苦戦しているのは、市場経済の構造変化が原因だろうということでした。
つまり若者世代の能力が以前の採用されやすかった世代に比べて劣っているからというわけではないのです。
以前は『日本に生まれた』というだけで、特権的に採用枠が多くあったのですが、大規模な構造の変化により、『日本に生まれた』枠が激減しつつある、ということです。
当然、あぶれる人が出てきます。
つまり、元々が能力が高かったから皆採用されていたわけではなくて、『日本人』というのがすでに下駄だったんですよ。そして、下駄がはがされた。
でも、就活生は下駄がはがされつつあることには気付かないのです。だから、以前の自分と同スペックの人が就けていた仕事を目指す。そして、理由も分からず挫折する。時には首をつったりする。
そこでこう提案するひとがいます。
「あなたが就きたがっていた、ホワイトカラー職ですが、その職に就くにはこれこれこれだけの技能とモチベーションが必要になります。就きたかったら死ぬ気でやりなさい。」そして、もともと競争力のある人の例を見せて「ほら、成功者だっているんだから全員にとって不可能ではないはずです」
もちろん、こう言って、頑張ってみたら開花した、みたいな人もいると思いますよ。でも全員が全員そんなにタフではないと思います。
(まあ、これは就職時に限った傾向でもないですけれども)
そこで、頑張ってもやはり上手くいかず挫折しそうになっている人に対して、
別の人はこう提案しました。
「べつにその仕事にこだわらなくたっていいじゃない。人生の価値はそれぞれだ。もっと楽につける仕事(ただし、世間的に地位があまり高くなかったり、出世の出来ない仕事だったりします)に就けばいいよ。ほら、枠ならいっぱいある!」
非常に合理的だとは思いますが、やはり、それまで「自分ならいい企業に就ける」と信じ込んできた若者たち、どうも、そういうのには尻ごみします。
それを、(就職難が直撃していない世代の)人々は「高望み」に感じるのでしょう。
ある意味、その通りと言えばその通りと言えます。
――でも、(次回に続きます)
補足1(『就職難が直撃していない世代』、とは 『実際就職活動をしている人達およびその親世代、以外』の事をさしているつもりです)
補足2(他には企業やノマド(個人事業主)を進める例もありますが、これは少し別趣旨になってきそうなので、今回はとばします)